投稿日:2017年4月30日


同性愛の結婚は国によって法律が異なります。宗教ごとになるとさらに複雑で、恋愛禁止の場合や、結婚はOKだけど性行為はNGの場合もあります。宗教における同性愛事情をまとめてみました。

 

1 同性愛が合法な国、違法な国

同性愛者を取り巻く宗教事情を考える前に、各国の事情を見てみましょう。

なぜならば、同性愛を扱う法律は、国によって大きく異なるからです。同性愛者の結婚を認める国もある一方で、なんと懲役や死刑を科す国もあります。

 

同性愛が合法な国は、欧米を中心に増えている傾向です。2001年世界で初めて同性結婚法が施行されたオランダを皮切りに、ベルギー、スペイン、ノルウェーと広がり、近年ではフランス、イギリス(イングランド、ウェールズ)でも同性結婚法が施行されました。

 

同性愛に否定的な国は、まずはイエメン、イラン、サウジアラビア、スーダン、ソマリアなどが挙げられます。これらの国は、LGBTであるというだけで、死刑になることもあり得ます。

富裕で政教分離が進んだ国は容認へシフトしてきましたが、このように発展途上国には植民地時代に制定された反LGBT法が今も多く残っています。

 

 

 

2 宗教が与える影響

LGBTに対して否定的な考えを持つ理由は様々ですが、その中でも特に強いものとして「宗教上の理由」があります。

宗教というのは、それが伝統的なものであるほど、人の生活・価値観自体を大きく左右する影響力を持ちます。よってそれらの宗教が根強い地域の人々にとって、同性愛者は認めてはならない存在になってしまっているのです。

 

世界には様々な宗教があります。

主な宗教の同性愛に対してのスタンスと、その理由をまとめました。

 

 

ちなみに結婚については、宗教というよりは、その国の法律により定められるものなので、ここでは割愛します。

 

 

3 世界的宗教が、反同性愛思想である理由

主な宗教の中でもイスラム教とキリスト教には、同性愛という概念そのものを否定する要素が含まれています。それぞれ詳しく見てみましょう。

 

(1)キリスト教

キリスト教の影響を受けた欧米諸国では伝統的に、同性愛は性的逸脱であり、宗教上の罪としています。ただし、同じキリスト教でもプロテスタントとカトリックでは対応が違います。

 

旧約聖書によると、

“神は男女のパートナーを造ったのだから、同性同士のパートナーは神の意志に反する”

また

“同性同士では子供を産むことができないので神の意志に反する”

ということになります。

 

■旧約聖書の表記『創世記 1 章 27~28 節』

“神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。”

 

■新約聖書の表記『コリントの信徒への手紙一 6:9-10』

“正しくない者が神の国を受け継げないことを、知らないのですか。思い違いをしてはいけない。みだらな者、偶像を礼拝する者、姦通する者、男娼、男色をする者、泥棒、強欲な者、酒におぼれる者、人を悪く言う者、人の物を奪う者は、決して神の国を受け継ぐことができません。”

 

 

一方、近年の欧米諸国においては、同性愛も異性愛と同様に生まれつきの性的指向であり、不当な扱いをされるべきではないとの認識が広まっています。欧米諸国では、結婚を合法としている国も多く、人々のLGBTに対する理解、宗教と政治の分離が進んでいると言えるでしょう。

ちなみに、「キリスト教三大異端」と呼ばれるモルモン教、エホバの証人、統一教会といったキリスト教系のセクト集団ではいずれも同性愛は認められていません。

 

(2)イスラム教

イスラム法では、男女とも同性愛者は程度によりますが、鞭打ちか死刑です。

イスラム教においては聖典であるコーランの中に、同性愛を禁止する記述、預言者ロトの言葉が根拠とされています。

 

■コーランの表記

“破廉恥(男色)をしておるのだな”

“女のかわりに男に対して欲情を催すとは。まことに言語道断な奴”

“あなたがたは創造された者の中、男だけに近付き、主があなたがたのために創られた配偶者を顧みないのですか。いや、あなたがたは罪を犯す者です。”

 

つまり、キリスト教も、イスラム教も、

神の教えを記した教典内で「同性愛(行為)は罪」と解釈される点があること、また同性愛行為は生殖ができないので自然の摂理に反するという理由で、反同性愛思想につながっていると言えます。

 

4 それ以外の地域ではどうなの?

さて、ここまで欧米・中東を中心に見てきましたが、それ以外はどうでしょうか?

 

アジアでは、西欧文化が流入するとともに同性愛嫌悪も流入していましたが、最近では西欧諸国の「同性愛者の権利を認める」風潮に影響され、同性愛に対してオープンになりつつある地域もあります。

 

アフリカでは、植民地時代に西欧諸国よりもたらされた同性愛嫌悪の風潮が残っており、同性愛を犯罪指定する法律が制定されたりと、いまだに嫌悪の風潮が強いです。「同性愛は西欧諸国から来たもので、アフリカ的ではない。排除すべき」といった思想に発展してしまっていることもあるようです。

 

以上、同性愛者を取り巻く宗教事情を見てみました。

 

まとめると、キリスト教・イスラム教など、宗教信仰にもとづく同性愛嫌悪が存在しており、西欧の反同性愛思想が世界中に広まりましたが、欧州ではリベラル派によって同性愛者の権利が認められつつあると言えるでしょう。

 

この記事を書いた人

カラーズ ライター
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