Vol.4 ゲイである自分がどう生きていくのが良いか?悩みながらも頑張って生きている男。

投稿日:2017年1月26日

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「初めて”男子”に恋心のようなものを抱いたのは中2の時だったかなぁ~。」

 
しんじの発言に、ケンスケが割り込む。

 
「ようなものってなんですか?(笑)」

 
「その頃は、今みたいに情報がないから、自分がいわゆるゲイなのかどうかとか良くわからなくてね。今思えばあれは恋心だったんだろうなと思うけど、当時はすごく仲の良い男友達がいるって感じだったんだよ。」

 

もちろんこの当時もオネェキャラの芸能人は存在していたが、現在のような地位を確立しているようなものではなかった。
辛口なファッションチェックや映画評論をする某双子オネェや、紅白歌合戦にも出ていたさそり座の〇が代表曲の歌手など、ある意味特殊な人というくくりになっていた。
そもそも、その人たちがどういうプライベートなのか?などということは興味もわかなかったし、そんな情報も全くなかったのだから、自分がそうであるという考え方など生まれても来ないわけである。

 

「そうなんですねぇ~。なんかそれって大変ですね。」

 
と、ケンスケが言うのだが、しんじは若い子のこういう発言に違和感を感じている。
正直別に大変ではなかったのだ。


自分は周りと違うのかな?という感覚はあったし、その正体を知るまでに時間はかかったが、それが大変だったとか辛かったという思い出ではないのだ?

 

「大変ってことはないんだけど、ケンスケ君は初恋で先輩を好きになったとき、大変だったの?」
としんじが質問するとケンスケが答える。

 
「大変でしたよ!自分はゲイなんだ。普通じゃない。どうしようって悩みましたし、きっと勘違いだって思うようにしたりして、軽いパニックでしたもん。」

 

そんなケンスケの話を聞きながら、そもそも「恋をするってなんだろう?」という哲学的なことをしんじは考えていた。
そして、最近の若い子がどう考えているのかが気になりだしたのだ。

 

「そもそもなんで先輩のこと好きっていうか恋心を抱いたの?」

 
「先輩は新入生の指導役の人で、とにかく優しくしてくれるんですよ。特に僕にやさしくしてくれるような気がして、気になりだして、毎日目で追うようになって、今日も会いたいなと思うようになって。。。次第に直視できなくなって、それって恋しちゃったのかな?と思いました。」

 

どこかの少女漫画に出てきそうなエピソードだが、ある意味王道な感じだ。

 

「しんじさんはどうだったんですか?」


「僕の場合は・・・その子はテストの点数も学年トップクラスで、部活でスポーツやってて女子からもすごく人気のある子だったんだよね。顔は今思えばそれほど良くもないんだけど、中学生の時とかって、顔だけじゃなくて勉強とかスポーツとかできる子って無条件にモテたりするじゃない?まぁ~そんな子だから、僕からすれば別世界の人って感じだったかなぁ~。」

 
「憧れって感じですか?」

 
「いやいや。同級生だったし、憧れってのとは違うんだよね。きっかけはたぶん、春のスポーツテストで短距離走した時だったと思う。」

 
「スポーツテストってなんっすか(笑)」

 

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